昨今、日本酒輸出が好調的論調のレポートが増えています。
本当にそんなに伸びているのかという疑問は以下のブログ(少しデータ古い)を御覧下さい。
さて、本題です。輸出に於いて、現地パートナーの存在なしに語ることが出来ません。
当たり前ですが、その当たり前を理解しているはずなのに、不適切な意思決定をして後悔している蔵元も結構いらっしゃいますので、敢えて問題喚起として書かせて頂きました。
あくまでご自身で冷静に考えてほしいという趣旨です。
事業領域が海外になった途端、国内で気にしていることを確認せずに、
現地任せにして(管理体制0)、契約してしまうケースが散見されます。
相手の詳細も把握せず、X年契約して、ご自身で自分のクビを締めているケースも。
誰の責任?見抜けなかった自分たちです。
「国ごとに問題は大きく異る」にもある通り、とにかく事業領域が「海外」になった瞬間、丸投げが多いです。
これは全てが海外の契約先に非があるのではありません。
何故なら、その人と組むということを決めた人は日本の酒蔵だから。
自分達にも責任があります。結婚と同様、双方が同意して初めて、成立します。
販売パートナーを選ぶ時、どんなポイントを見ますか?
①支払い能力は大丈夫?
会社決算書の内容は確認済?取引条件は公平?
先方が倒産した場合の被害額など債権回収リスクは?
⇒支払能力は「信頼」とは必ずリンクしていません。
如何に仲の良い友人(提携先)でも、お金が無ければ、逆立ちしても、支払えません。与信管理は商売の基本です。担保もなく、裸与信で商売しすぎているというのが、日本企業の大半でしょう。勿論、前金にする難しさ、担保を取る難しさはあります。費用など様々なハードルで決算書取付けが難しい場合、半分前金とかでトライアルするのは如何でしょう?とにかく、最初から言われるがままで推進せず、努力してリスク低減しましょう。
②海外パートナーの商品管理方法を知っている?
これも国内だと当然ですが。海外でどのように品質管理をしているか、設定温度は適切かご存知ですか?海外パートナーがどんな飲食店やECで販売しているか、気になりませんか?
⇒支払いに問題がなくても、品質管理や販売方法やマーケティング方法が酒蔵のコンセプトと合わなければ、ブランドが崩壊し、その国から撤退を余儀なくされます。
現地任せにしないで下さい。現地パートナーのせいではありません。
何故なら、その国ではそれが普通なので(悪質なケースを除く)。
だからハンドルを握るのは自分達です。
東南アジアの一年中炎天下の国で常温で保存されているケースもあります。平気で1年前や2年前のお酒が現地で販売されるケースも。口頭による説明も、文字による商品説明もない商品多々有り。知ってましたか?そんな状況で正しく流行りますか?
自分の子供と同じぐらいかわいい大切な商品そんな風に扱われている人らと組めますか?
事前確認が大切です。
国内で当たり前にしていること、気にしていることを海外に関しても徹底的に確認して、納得感をもって、取り組みを始めましょう。
Comments